子ども一人一人の個性と成長に寄り添いたい。
漠然と描いていた理想を、みごとに叶えてくれたプログラム。子ども達はもちろん、先生達が変わりました!

学校法人みのり学園 認定こども園みのり幼稚園 理事長 森川 道晃様

「何をしたらいいですか?」漠然とした想いに寄り添ってくれた

最初にフィーノリッケさんにお会いしたのは、平成31年夏。全国の幼保の園長・理事長が集まる交流会でした。そこにブースを出展されていたのです。
新しい教育要領が出た頃で、私も将来のことを漠然とながらいつも考えていました。そこには色々なブースがあり、充実した密度の濃い情報が集まっていました。
その中で、大きなデンマークの旗が目立っています。それがフィーノリッケでした。
ところが、近寄って見ても、こういうプログラムです、こういう商品です、という説明がない。
私は聞きました。「何をされるところなんですか?」
そうすると代表の鈴木孝枝さんが、笑顔でこう返して来たのです。
「はい。何をしたらいいですか?」
面白いことを言う人達だ。それが最初の出会いでした。

うちは、65年以上の運営してきた幼稚園から、こども園に移行したところで、
漠然とですが「なにか『軸』をもった活動をしたい」という思いがありました。
しかし、話を聞いてみると、どうも決まったカリキュラムを提供しているということではないらしい。
しかし、日本の学習指導要領は、小学校以上も含め「生きる力を育む・主体的で、対話的で、深い学び」という方向に変わりました。それにまさしく合致する考え方だと思ったのです。「まずはやってみよう」と私は思いました。

そこで、その夏から秋にかけて、一度模擬レッスンをしてもらい、それからテスト的に導入しました。翌年の6月、正式に年長児対象に0年生クラスを開講し、現在は4年目です。3期の児童を卒園させています。

子どもたちの感情に変化が生まれた

プログラムを受けていくにつれ、「感情」に大きな変化がありました。
まず、子どもたちが自分の気持ちをちゃんと言えるようになったと思います。それは、クラスが始まる前に、時間をかけて自分の感情について向き合ったり、先生たちも子どもたちに向き合って感情の動きを捉えることを学ぶからです。
また、カリキュラムをこなして、今日は楽しかった、で終わりではなく、「サークルタイム」という振り返りの時間があるので、そこでしっかりと発言するような子が出てきました。
そんな子どもの変化を目の当たりにすると、私たちも、ああそれが重要だよなと気づかされ、より感情に働きかけるようになり、それによって子どもたちもますます変化していく、という循環が生まれているのです。

先生たちの中で共通言語ができてきた

子どもたちは卒園し、入れ替わっていきます。その意味ではカリキュラムはまた最初からの繰り返しです。でも、自分たちには経験が蓄積します。それが日々の対話によって共有させられていきます。
それによって共通言語が生まれ、スタッフの間で大切にすべきことのベースができて来ました。
安定して、継続して3年間やってこれたことで安心感も生まれ、私たちも学びながら実践することで、ちょっとずつだけれども力強くなれたように思います。
結果として、導入した0年生クラスだけではなく、保育・幼児教育全般に対しての価値観や理念を、法人内で共有できることにつながっていると思います。

自分たちにとっての「学びの場」の創造

デンマークの教育自体が素晴らしいのですが、それを学ぶことによって、より本質に近づくというか、自分たち自身の在り方を自分たち自身に問いかけることにもなります。具体的に園を経営する上では、変化へのチャレンジもありました。しかし、個人的には、対話しながら理解してくれる人をいい意味で巻き込んでいく、ということも実践の中での大きな学びとなりました。

幼児教育にこれまでと違うものを求めている人、私たちの理念に共鳴してくださる人は、3〜5年前より確実に増えていると感じています。
デンマークの人間教育を、日本にあわせてアレンジして提供するというのは、その答えのひとつになると思っています。私たちも引き続き学ばせていただきながら、時代の変化に対応してより良い方法を見つけていく努力をしていきたいと思っています。
フィーノリッケさんが何を提供してくれるのかを、私が問いかけた最初の出会いの時。
その答えは「学びの場」でした。これからもよろしくお願いします。

補足説明:教育要領は幼稚園やこども園、小学校以上は学習指導要領となります。
参考URL
2020年度、子供の学びが進化します!新しい学習指導要領、スタート! | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン (gov-online.go.jp)